不正出血とは、月経以外の性器出血だが、通常の月経とは異なる出血を不正出血と訴えることもある。
産婦人科領域では最も重要な主訴である。不正出血を認めたときは、必ず婦人科受診をすることを勧める。
原因確認は見逃すとより重大な健康障害を及ぼす事柄から、また、器質的疾患(何かが出来ていて出血)から開始し、機能性(ホルモン異常による子宮内出血)原因をスクリーニングする。
問診、内外(視)診、検尿(妊娠反応)、細胞診、組織診、 経膣超音波検査で検査、膣分泌物培養、クラミジアDNA検査
① 妊娠の可能性の有無を確認する(流産、子宮外妊娠、絨毛性疾患)
② 生殖器の悪性腫瘍の有無(子宮癌や卵管癌、膣癌など)
③ 生殖器の良性疾患(子宮筋腫、子宮ポリープ)、子宮の炎症(子宮内膜炎、子宮 頸管炎(性感染症含む)、萎縮性膣炎)の有無
④ 性器外傷
⑤ 服用薬(抗凝固剤、向精神薬、抗潰瘍薬、高脂血症改善薬など)
⑥ 出血傾向(血液疾患、肝疾患)
⑦ 性器外疾患(痔疾や尿道カルンケル、出血性膀胱炎など)
⑧ ①~⑦が除外された後に、機能性子宮出血との診断ができる。血液検査でホルモン異常をスクリーニングする。
甲状腺機能、プロラクチン値、視床下部-下垂体-卵巣系ホルモン値など。
基礎体温を測定しながら、不正出血と月経周期との関連を調べる。
出血量が多く、長く続いているような機能性出血の場合、鉄欠乏性貧血や感染のリスクが上昇するため、中容量ピルや止血剤を処方して積極的に止血する。